企業向け調査で対応できない内容。

企業向け調査であっても、すべての依頼に対応できるわけではありません。違法な情報取得、私物端末への不正アクセス、無断GPS、不法侵入、盗聴、差別や報復を目的とした調査などは、企業側に事情があっても受任できません。また、従業員の私生活を必要以上に確認する依頼や、業務との関係が明確でない調査も対応できない場合があります。不適切な方法で情報を集めると、企業側が法的責任を問われたり、労務トラブルや信用低下につながったりするおそれがあります。本記事では、企業向け調査で対応できない主な内容、受任できない理由、依頼前に整理すべき調査目的、適法な代替手段について分かりやすく解説します。

 

企業向け調査で対応できない主な内容

法令に反する方法での情報取得

企業が不正や情報漏えいの事実を確認する必要がある場合でも、法令に反する方法で情報を取得することはできません。私物のスマートフォンやパソコンへの不正アクセス、無断でのアカウントへのログイン、盗聴機器の設置、不法侵入などは、企業側に正当な問題意識があっても対応できない方法です。調査目的が正当であっても、情報を取得する手段まで正当化されるわけではありません。不適切な方法を用いると、取得した情報を法的対応に活用しにくくなるだけでなく、企業側が刑事・民事上の責任を問われるおそれがあります。

 

対応できない主な調査方法
  • 私物端末や個人アカウントへの不正アクセス
  • 対象者の承諾や適切な権限がない無断GPSの設置
  • 盗聴、盗撮、不法侵入による情報収集
  • 他人になりすまして非公開情報を取得する行為
  • 公的機関や関係者を欺いて個人情報を聞き出す行為

 

 

差別や報復につながる目的の調査

採用、配置、昇進、契約などの判断に使用する場合であっても、差別的な取扱いにつながる調査には対応できません。本人の能力や業務上の適性とは関係のない出身、思想信条、病歴、家族関係などを理由に、不利益な判断を行う目的で情報を集めることは適切ではありません。また、内部通報者や退職者への報復、従業員への嫌がらせ、組合活動を妨げる目的なども受任できません。企業防衛を理由に調査対象者の権利を侵害すると、労務紛争や損害賠償、企業信用の低下につながるおそれがあります。

 

 

業務と関係のない私生活への過度な介入

従業員や取引関係者について確認したい事情があっても、業務との関連性が明確でない私生活全般を調べることはできません。勤務時間外の交友関係や立ち寄り先を無制限に確認する依頼、家族の生活状況まで広く調べる依頼などは、必要性や相当性を欠く可能性があります。企業向け調査では、確認したい問題、対象期間、関係する行動を具体的に定め、経営判断やリスク対策に必要な範囲だけを確認することが重要です。目的や範囲を整理できない依頼は、内容を見直すまで対応できない場合があります。

 

調査目的と確認範囲に関する受任基準

調査目的の正当性と業務上の必要性

企業向け調査を受任する際は、最初に調査目的と業務上の必要性を確認します。横領や情報持ち出しの疑いを確認したい、内部通報の内容を検証したい、取引先との不自然な関係を把握したいなど、企業経営や職場管理に関係する具体的な目的が必要です。対象者への不満や漠然とした疑いだけではなく、どのような問題を防ぎ、何を判断するための調査なのかを明確にすることが受任判断の基本となります。目的が曖昧な場合は、すぐに調査を始めず、相談内容や保有資料を整理します。

 

受任前に確認する主な事項
  • 企業が確認したい問題と調査の目的
  • 対象者と企業との業務上の関係
  • 現在確認できている事実や資料
  • 調査が必要となる期間や場所
  • 調査結果を利用する目的と対応方針

 

 

必要性に応じて対象と期間を限定する

調査目的が正当であっても、対象者の行動や私生活を無制限に確認することはできません。たとえば商品の持ち出しが疑われる場合は、持ち出しの可能性がある日時や場所、関係者との接触など、問題との関連性がある範囲に限定します。退職予定者の情報持ち出しを確認する場合も、退職前後の業務上の行動や資料の扱いを中心に確認します。調査対象、期間、時間帯、確認事項を具体的に定めることで、必要以上の情報収集やプライバシーへの介入を防ぐことができます。

 

 

調査結果の利用目的まで確認する

受任判断では、調査によって得た情報を企業がどのように利用する予定なのかも確認します。事実確認や経営判断、弁護士への相談、就業規則に基づく対応など、適切な目的で使用することが前提です。対象者への嫌がらせ、報復、不当な退職強要、差別的な処遇などに利用される可能性がある場合は、調査目的が表面上正当でも対応できません。探偵興信所一般社団法人では、企業と関係者の権利を守るため、調査方法だけでなく、目的、必要性、確認範囲、結果の利用方法を総合的に確認して受任を判断します。

 

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対応できない場合の適法な代替方法

目的を保ったまま確認方法を見直す

当初の依頼内容に対応できない場合でも、企業が確認したい目的まで否定されるとは限りません。たとえば、私物端末の中身を無断で確認したいという依頼には対応できませんが、業務用端末のアクセス履歴、社内システムの操作記録、送信先、持ち出し記録などを適切な権限のもとで確認できる場合があります。受任できない方法をそのまま求めるのではなく、何を明らかにしたいのかを整理し、法令や社内規程に沿った確認方法へ置き換えることが重要です。

 

検討できる主な代替対応
  • 帳簿、契約書、業務用メールなどの社内資料を保全する
  • アクセス履歴、入退室記録、在庫記録を照合する
  • 就業規則や社内手続きに基づいて関係者へ聞き取りを行う
  • 公開情報や現地の活動実態を適法な範囲で確認する
  • 弁護士、社会保険労務士、IT専門家などへ判断を求める

 

 

社内資料と公開情報から確認を進める

企業トラブルの事実確認では、対象者の私生活へ踏み込まなくても、社内に残された記録から状況を整理できる場合があります。請求書と納品記録の不一致、通常と異なるアクセス、特定の時間帯に集中する入退室、在庫の減少などを照合することで、不自然な動きを絞り込めます。また、取引先の法人情報、事業所の状況、公開されている活動内容なども判断材料になります。取得権限のある社内資料と公開情報を優先することで、関係者の権利に配慮しながら客観的な事実確認を進められます。

 

 

専門家の判断を受けて対応方針を整える

法的な権限や労務上の手続きが不明な場合は、無理に調査を進めず、専門家の判断を受ける必要があります。従業員への聞き取りや懲戒手続きは社会保険労務士、損害賠償や刑事対応は弁護士、業務用端末やシステムの確認はIT・情報セキュリティ専門家との連携を検討します。対応できない調査を別の事業者へ依頼して強行すると、企業側も違法行為や権利侵害に関与したと判断されるおそれがあります。探偵興信所一般社団法人では、受任できない理由を説明したうえで、目的に応じた適法な確認方法や専門家連携の方向性を整理します。

 

対応できない調査に関するよくある質問

Q. 従業員の私物スマートフォンを確認できますか?

いいえ、企業からの依頼であっても、従業員の私物スマートフォンを無断で確認することはできません。端末のロック解除、個人アカウントへのログイン、保存データの取得などは、不正アクセスやプライバシー侵害につながるおそれがあります。ただし、企業が管理する業務用端末や社内システムについては、社内規程や利用目的、管理権限を確認したうえで、アクセス履歴や操作記録を適切に確認できる場合があります。

 

Q. 退職者や問題のある従業員の私生活を調べられますか?

業務との関係がない私生活全般を確認する調査には対応できません。退職者による顧客情報の持ち出しや競合企業への情報提供が疑われる場合は、問題と関係する期間、接触先、行動などに範囲を限定して事実確認を検討します。対象者への不満や報復を目的として、交友関係や家族状況、日常生活を広く確認する依頼は受任できません。

 

Q. 匿名の内部通報だけでも調査を依頼できますか?

はい、匿名の内部通報をきっかけに相談することはできます。ただし、通報内容だけで不正やハラスメントがあったと判断することはできません。通報された日時、場所、行為、関係者、保有資料などを整理し、社内記録や客観的な情報から確認できる範囲を検討します。匿名通報だけを根拠に対象者を追及したり、不利益な処分を行ったりすることは避ける必要があります。

 

Q. 対応できない場合は別の相談先を案内してもらえますか?

はい、依頼内容に応じて適切な相談先や代替方法を検討します。法的な権限や損害賠償に関する問題は弁護士、懲戒処分や就業規則は社会保険労務士、業務用端末や情報漏えいはIT・情報セキュリティ専門家への相談が適している場合があります。探偵興信所一般社団法人では、単に受任を断るのではなく、企業が確認したい目的を整理し、適法な事実確認や専門家連携につなげます。

 

はじめての方にも安心の探偵依頼を

探偵興信所一般社団法人は、はじめて探偵や興信所を利用される方に安心してご利用いただけるように、ご依頼の流れから調査内容まで分かりやすくご説明できるように心がけています。また、探偵業界全体の向上を目指し、探偵社のセカンドオピニオンとしても利用できるなど、調査依頼だけではなく誰でもお困りの際には利用できる社団法人を目指しています。

適切な受任判断が企業と関係者を守る

適法な事実確認を企業リスク対策につなげる

企業向け調査で対応できない内容を明確にすることは、問題への対応を放棄することではありません。違法な情報取得、差別や報復を目的とした依頼、業務と関係のない私生活への過度な介入を避けることは、企業の法的責任や信用低下、労務トラブルを防ぐための重要なリスク管理です。調査を検討するときは、何を確認したいのか、なぜ確認が必要なのか、どの範囲まで確認するのかを整理し、社内資料や公開情報、適法な現地確認などを組み合わせて事実を明らかにします。目的が正当であっても不適切な手段を選ばず、必要性と相当性を踏まえて確認方法を決めることが、企業と関係者の双方を守ることにつながります。探偵興信所一般社団法人では、依頼内容を受任基準に沿って確認し、対応できない場合も、適法な代替方法や弁護士、社会保険労務士、IT専門家などとの連携を通じて、企業が安全に対応方針を判断できるよう支援します。

 

  • 探偵興信所法人信用調査員 記事作成者
    法人信用調査員K
    この記事を書いたのは、法人信用調査を担当しているK調査員です。探偵業年の監修者の元、ユーザーの皆さんにとって有益な情報をわかりやすく提供できるよう情報作成を行なっています。
    記事作成者プロフィール
  • 弁護士アドバイス 栗山弁護士
    弁護士アドバイス:法人信用調査を探偵に依頼する際には以下の点に注意して有効的な活用をしましょう。
    ・法的トラブルの予防として:企業間でのトラブルを未然に防ぐために、相手企業の法的問題や潜在的なリスクを把握することが重要です。探偵は、企業の訴訟歴や法的トラブルを調査し、予防措置を講じるための情報を得ることができるため弁護士への依頼と合わせて活用することが有効的だと言えます。
    ・顧問弁護士とのタッグ:企業では顧問弁護士がいる場合が多いかと思いますが、トラブルの解決やリスクヘッジにおいて顧問弁護士と探偵のタッグを組んでおくことでリスク管理に大きく貢献できるといえるでしょう。

 

※本記事の相談内容は、弁護士と心理カウンセラーによる監修を行い、探偵業法第十条に基づいて、実際の法人調査案件をもとに一部内容を編集・再構成し、特定の企業名や関係者が識別されないよう配慮して記載しております。法人向け調査には、取引先企業の信用調査、反社会的勢力との関係確認、従業員の不正調査、競合分析など、様々な目的があります。弊社では、調査の正当性および必要性を事前に確認のうえ、法的に許容される範囲内で、慎重かつ的確に調査を実施しております。

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